授賞式を終えて

3月8日(月)の朝、子供を学校へ行くのを見送っていざ東京へ!!一人で行くには初めてで不安でしたが、何とか到着。

小石川後楽園・東京ドームの真ん前の住宅金融公庫本店 F1すまい・るホールで式典がありました。

2時からリハーサル、3時半から授賞式。受賞者の年齢は幅広く、白髪の人から鳥取県環境大学の学生まで。白髪の人は、伝統や自分達の持っている技術を継承して行きたい。若い人たちは、受け継がれてきた伝統や技術をいかし、今の時代にあったすまいを受け継いで行きたい。とてもいい雰囲気でした。

知恵提案の部の佳作の受賞は一番最後だったので普段緊張する事がない生活をしている私は緊張が積み重なって、心臓の鼓動と一緒に顔までバクバクしていました。私には、最初で最後のになるだろう貴重な時間を過ごしてきました。

5時からは、最上階のパーティ会場で祝賀パーティがありました。皆で乾杯のあと、上位の受賞者は業界の知り合いがいたりして、名刺交換をしたり、プレスの人からインタビューを受けたり。学生は共同制作者とわいわい楽しんでいました。

私は、皆の邪魔にならないように、隅っこで、ジュースを飲みながら、オードブルを食べ、総ガラス張りの窓から東京ドームや、後楽園を眺めながら、華やかな雰囲気を楽しんでました。

今回の受賞作品の多くは、家族の絆、神仏を尊ぶといった、物質的なところから離れた所に関心があったように思えます。特に戦後我々は、面倒な事、手間のかかる事、時間を要する事、から開放されましたがその結果、直接人とかかわらずなんでも出来、人の代わりに機械がなんでもする、大阪―東京間余裕で日帰りできる。楽なったように思えますが、それらの便利な道具を開発する労力、エネルギー、資金は、不便だった頃の何倍・何十倍・何百倍かもしれません。人間の欲はどんどん肥大して行きます。孤立し・・・。時間に追われ・・・。苛立ち・・・。もうそろそろ楽しませんか。どちらにしても人間生きていれば楽ばかりじゃないということですが。我々が失った物を取り戻そうとしているのです。

帰りの新幹線はそんな事を考えながら、今回の受賞の重みを感じていました。我々大人は、未来の子供達に素敵なものをたくさん残して行きましょう。

2004/3/8

ソーラーシステムの「アクティブ&パッシ」

 21世紀は、いかに環境を維持し、発展して行くか難しい時代である事は、誰しも感じている事だと思います。建築の世界も敏感に反応しています。省エネ、エコロジーなどを踏まえたのが、ソーラーシステム。それらは、アクティブ(能動的)とパッシブ(受動的)に分けられます。
 「アクティブソーラー」方式は、ソーラーコレクター(太陽熱集熱器)(太陽電池パネル)などの、機器や動力を使うもの。と定義されていました。 「パッシブソーラー」方式は当然、機器や動力を使わないものと言う事だと思います。私が知っている、幾つかのパッシブソーラーと謳っているシステムは、残念ながら集熱の為の特殊パネル・ガラスを使い空調をコントロールするための機器や動力を使っています。
 昔の人は皆、言われなくてもしていたんですよね。今でも、京都の町屋に見られます。祇園祭の頃は、襖や障子をはずし、簾が掛けられ、中庭に打ち水をすると、あのうなぎの寝床のような部屋の中を「ス〜〜〜〜〜ッ」と風が流れます。
 白川郷の合掌造りは、雪の重さに耐えられる構造で、雪が家を覆いかぶさるように造ってあります。雪が降り積もるまでが寒いそうです。雪が、外部の冷たい風を防ぎ内部の温度を外に逃がさない。そうです!!あの忌まわしい雪が、断熱効果をもたらしているのです。これぞ、「パッシブ!!」ではありませんか!?自然に対しては、「受身的」ですが、生き方は我々の何倍も「能動的」のように思います。そんな人々に敬意を表し、○○システムを「パッシブ!!」と謳うのはやめてほしいのです。
チョッと気になって・・・・。大阪人の習性でしょうか?「つっこみ」たくなるのです。

2003/9/4